ポリフェノールは苦いから体にいい

植物の苦味成分として知られます。苦いものは人間も動物もふつうは食べたくありません。植物が自分の身を守るために苦味を身にまとっているわけです。ブドウの皮や種に含まれているタンニンがよく知られています。栗の渋皮にもタンニンがあります。カカオ(エピカテキン)ゴーヤ(モモルデシン)、ゴマ(セサミン)、緑茶・小豆(カテキン)、大豆(イソフラボン)などたくさんの種類があります。

植物が動物に食べられたくないために作り出しているポリフェノールなのになぜかそれを食べた人間にとっていろいろ体によい作用があります。赤ワインを多く飲むフランス人は狭心症・心筋梗塞が少ないそうです。デンマークでの調査でも心臓血管疾患を減らしガンで死亡する人の割合が減りました。胃腸の働きをよくしたり血糖値の上昇を抑えたり気分を改善させたり認知機能を向上させるという話もあります。

不思議なことにポリフェノール類は食事で摂ってもほとんど吸収されないで便中に排泄されてしまうそうです。ほとんど便に出てしまうのになぜいろいろよい作用が生じるのかまだその仕組みはわかっていません。
①ポリフェノールの苦味・渋みを感じる受容体(センサー)が消化管にありそこから生じる電気信号がいい作用を現すのではないか。
②腸内細菌がポリフェノールの構造を変化させて有用な物質へ変えるのかもしれない。
③ポリフェノールが腸内細菌叢の善玉菌を増やし悪玉菌を減少させて腸内細菌の働きをよくする可能性がある。

ポリフェノールは不思議な食物成分ですが苦味を我慢して(好きな人もいる?)摂取すると体がよくなるというごほうびがもらえます。どんどん活用しましょうね。