骨そしょう症と圧迫骨折のお話

 

「骨粗しょう症」とは、骨密度が低下して骨がスカスカになり、骨折を起こしやすくなる病気です。 年令が増すにつれて骨密度(骨量)の低下は、程度の差はありますが、誰にでも起こりえます。

「脊椎の圧迫骨折」とは、せぼねが、押しつぶされて変形してしまう骨折で、その主な原因は「骨粗しょう症」です。

寝返りをうつ時や、起き上がる時、体動時等に痛みが出るようになり動くのが大変になります。一度起こすと数か月痛みが続いてしまいます。日常生活における活動量も減ります。神経麻痺をきたす例もまれにあり、「寝たきり」の生活になる危険性が高まります。

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これまでの骨粗鬆症の治療薬は骨が薄くなるのを抑える作用があり骨粗しょう症が進行するのを抑えることができます。しかし薄くなってしまった骨を厚くすることはできませんでした。

最近、薄くなった骨を丈夫にすることができる治療薬が開発されました。骨を作る働きを持つ「骨芽細胞」の働きを高め、積極的に新しい骨が作られるのを促進することにより、骨密度を高めるだけでなく骨質も改善し、より折れにくい強い骨を作ります。

その薬はテリボンという名前で、その有効成分は「テリパラチド酢酸塩」です。週1回医療機関で注射してもらう骨粗鬆症のお薬で、骨量を増やし、骨折しにくくします。

圧迫骨折といわれたことがある方や、しりもちや重いものを持ったなどのきっかけのあとから背中の痛みが続いている方は、ぜひ診察を受けてください。この新しい注射薬の治療を受けますと、骨が弱くて起こる痛みを減らすことができますし、将来の骨折の恐れをなくすことができます。