身軽な人

7年くらい前の旅行での出来事。宿泊は河口湖畔のホテルにしました。そこで出会った一人の老人がとても印象に残っています。

その人は背筋の伸びた初老の男性でホテル前でお客さんの出迎えをしていました。お客さんが到着するのに合わせてさっと車に近づきドアを開けたり荷物を持ったりフロントまで案内したりという一連の動作がてきぱきとしていて見ていて爽快感を感じる身のこなしでした。もっと若い従業員も同様の仕事をしていましたがその老人の運動量が何倍も勝っていました。

どういう役職の人か知りたくなり別の従業員にあの人はどういう立場の人ですかと聞いてみました。社長室長ですとのことでした。普通社長室長ともなれば社長の右腕のような重要な役職であり立場がかなり上と想像できます。そのような立場の人がお客さんの出迎え業を一心不乱に行なっていました。

ご老人の動作にさわやかさを感じたのはこれまでの人生でこの人だけです。

年齢とともに立場もこころもえらくなってしまい自ら率先して動くことがなくなってしまう人が多い中でさわやかな感動を与えてくれた人でした。

足腰が痛くなったりで動きにくくなることもあるでしょうけれどもせめて気持ちだけでも、ぜひとも身軽さと行動力を見習いたいものです。