体のどこかに「痛み」があるというのは、本当につらいものですね。「痛み」はご本人にしかわかりません。同じ病気の痛みを経験したことがない人には全く想像できません。
痛みには、「急性痛」と「慢性痛」があります。「急性痛」は体の中の異常を教えてくれるシグナルです。多くの場合、原因を見つけ出して適切な治療をすることで痛みをよくすることができます。でも中には原因を解決してもなぜか消えない痛みや原因を解決するのが難しい痛みもあります。急性痛が長引くと「慢性痛」に変化していきます。
「痛み」の出方には2種類あります。一つは体の中で痛みの素となる物質「発痛物質」が作られる場合です。けがの痛みなどがこれです。もう一つの痛みは感覚の神経そのものが異常な電流を発生させる状態です。神経痛がこれでビリビリジンジンなどと表現されます。
気持ちの持ちようみたいな精神的なものでも影響される場合もあります。羽生結弦が競技中けがをしても最後まで滑り切って終わった後に痛みで歩くことができなかったことがありました。専門的にはゲイト(門)コントロール理論といいます。痛みの刺激が門を通るときに大きくなったり小さくなったり調節されるという考え方です。
医療では痛みの原因を探し出し悪循環に陥っている状態を良循環へと反転させる「きっかけ」を作ることが大切です。