ケガや神経損傷の後に傷自体はなおっているにもかかわらず激しい痛みがずーっと続いているような状態です。針で刺すような強い痛みが続きます。触っただけでひどい痛みが出ます。痛みのために腕や下肢を動かせなくなりその腕や下肢が萎縮してしまいます。
神経損傷が明らかでないものをタイプ1、明らかなものをタイプ2と分けることがあります。
神経ブロックによる治療をできるだけ早期に行ない症状を軽減させることが重要です。
上肢のCRPSに対しては星状神経節ブロック、胸部交感神経節ブロック、頚部・胸部硬膜外ブロック、下肢のCRPSに対しては腰部交感神経節ブロック、腰部硬膜外ブロック、大腰筋溝ブロック、神経根ブロックなどが行なわれます。
患者さんの一例をお示しします。
70代の男性の方です。足に丸太を落としてしまい強い痛みと腫れが生じました。X線撮影では明らかな骨折はありませんでしたが痛みが続き足をついて歩くことができませんでした。通常の打撲であれば1~2週間程度で痛みや腫れが引きますが半年経っても痛みが減らず松葉杖を使わなければ歩行出来ません。当院を受診されてから神経ブロック治療を1週間間隔で行ないました。徐々にむくみと痛みが減っていき1か月後には松葉杖なしで歩行が可能になりました。その後もう1か月治療を続けほぼ痛みが改善し治療終了となりました。